アメリカで子宮動脈塞栓術(UAE)の治療を受けて1年が経ちました。
手術を受けたのは2017年の10月です。
手術を決意するまで、いろいろと調べたり悩んだりしましたが、結果として受けて良かったと思っています。
子宮筋腫の手術はいくつか方法がありますが、子宮動脈塞栓術(UAE)をアメリカで受けようかどうしようか、迷っている方の参考になればと思って記録をしておこうと思います。
この記事を読もうと思っている方は、子宮筋腫がどういうものか、すでに分かっていると思うので詳しく書きません。
私が知りたかったのは、この手術はどんなふうに行われるのかということとどのくらいお金がかかるのか、ということでした。
なので、そのあたりを中心に書いていこうと思います。
子宮筋腫の手術をアメリカで受けるまでの体験談を知りたい方はこちらをご覧ください。
子宮動脈塞栓術(Uterine Artery Embolization)とは
子宮動脈塞栓術(Uterine Artery Embolization:UAE)は開腹せずに治療する方法です。
入院期間は短くて済みます。アメリカは医療費が高いので、何日入院しなければならないかは気になるところです。
手術は大腿動脈からカテーテルを入れ、子宮動脈にビーズのようなものを入れます。
このビーズが子宮筋腫に届く動脈を塞ぐことで、筋腫の成長を止めるというものです。
デメリットとして、まれに、血流が再開して筋腫が再び大きくなる場合があることや、術後に感染症を起こすことがあると説明を受けました。
日本でこの手術を受けた人の体験談もいくつか読みましたが、筋腫がまた大きくなって再手術をした方もいるようです。
私の場合は、再発しても閉経まであまり年数がないので、再発しても大丈夫だと判断しました。
また、日本の手術の解説を見ると事前にMRIを撮るようですが、こちらではそれは必要ないと言われました。
子宮動脈塞栓術(UAE)を受けた当日の様子
ご飯や水を飲まないように指示があり、当日は朝の6時に病院に来るように言われました。
早くてびっくりでした。
着替えてカーテンで仕切られたベッドに寝るように指示され、手術は9時頃からと説明を受けました。
手術までは、アレルギーに関する問診や体温をはかったり、しばらくトイレに行けないので尿道にカテーテルを入れられました。
お医者さんとも挨拶をして、手術室へ
右足の付け根の動脈にカテーテルを入れるので、その周辺の毛を剃られたりカバーのようなものを貼られました。
お医者さんはエックス線透視を見ながらカテーテルを入れていきます。
部分麻酔なので、意識も割とはっきりしていて助手の方やお医者さんの話を聞いていました。
途中でもう少し麻酔が必要かどうか聞かれたのだけど、意識がなくなる方が怖かったので、大丈夫といいました。
「日本人は我慢強いよね。」とお医者さんに言われたところを見ると、みんな麻酔を追加するのでしょうか??
手術中は先生と少しおしゃべりをしたりして、40分くらいであっという間に終わりました。
子宮動脈塞栓術(UAE)の術後の様子
実は、手術自体は痛みも辛さもなかったのですが、その後が大変でした。
とにかく下腹部が痛くて、痛み止めを飲んでも痛くて辛くて。
血流を止められた筋腫たちがもがき苦しんでいるのだから仕方がないです。
日本の場合は、この痛みを避けるために麻酔をするみたいですね。
そのため、数日の入院が必要なのだそうです。
こちらはスパルタ。
自分の体と向き合うしかありません。
看護師さんが様子を見にきてくれるたびに痛み止めと吐き気どめをもらいました。
やっと何かが食べられるとなったのだけど、あまり食べる気はしなくて、
とりあえず薬を飲むために胃に何かを入れるという感じで。
その後、動脈の止血の部分を確認して病棟に移されました。
いろんな患者さんがいる廊下をベッドのまま移動させられるという、映画みたいな風景でしたよ。
痛みはまだ続いていて、むしろひどくなっていく感じでした。
夕方近くにお医者さんが様子を見に来てくれたのですが、この痛みはこの一晩が一番大変だということでした。
モルヒネ使いますか?と聞かれたのでお願いしました。
痛みに耐えられなかったら点滴についている機械のボタンを押します。
そうするとモルヒネが注入されるそうです。
機械が時間を管理してるらしく、適当に押しても薬は流れないようになっています。
ある一定の期間がすぎたら、ボタンが有効になる仕組みがなでした。
とにかく、その夜は眠ることができず。
漫画なども持っていったのに、何も読む気になれず。
ただひたすら痛みに耐え続けました。
翌日になっても痛みはなくならなかったのだけど、がまんできる間隔が広がった感じです。
夜は30分我慢できなかったけれど朝になったら1時間我慢できるようになったというか。
そこからお昼すぎまで寝ていました。
結果的に不快感と腰痛がなくなった
病院としては、辛かったらまだ居てもいいよ。とのことだったのですがこちらは入院費が気になるので、14時ころ病院を出ました。
でも、まだ痛みが続くので帰宅した途端にベッドに直行です。
そこから1週間は痛みに苦しみました。
日本の病院での入院が3日から7日と聞いて納得です。
ミケは、ひたすら処方してもらった痛み止めを飲みつつ、伏せっていました。
でも面白いことに7日過ぎたら、すっかり元気になっていて、職場復帰までの残りの1週間は家のことをしたりお散歩したり。
2週間めには、もうすっかり痛みがなくなりました。
一年たった今ですが、一年中もやもやと痛くて不快だった痛みも腰痛も無くなったので、手術を受けて良かったと思います。
筋腫は、柔らかくなって小さくなっているように感じます。
子宮動脈塞栓術(UAE)にかかった金額
ネットで調べるとだいたい20,000ドルから30,000ドルくらいの費用がかかると記載されています。
ミケの場合は入院も含めてかかった費用は24,000ドルくらいだったので、このあたりが相場だと思われます。
自己負担は、加入している保険によって変わってくるので、なんとも言えませんが
保険が効かない場合は、25,000ドルから30,000ドルくらい(2017年現在)かかると思って良いと思います。
手術後に役にたったものたち
自宅で痛みに耐える1週間で一番役に立ったものは、お腹を温めるものたちでした。
手術が寒くなり始めた時期だったのもありますが、湯たんぽや電気毛布でお腹を温めていると、痛みが少しだけ和らぐ感じがしました。
こちらで電気毛布は「Electric Blancket」と言います。Walgreensなどのドラッグストアにも置いてあります。私が購入したのは、ひざかけ程度の大きさの「Electric Trow」というものです。
それと、もうひとつは「湯たんぽ」。
英語では「Hot Water Bottle」と言いますが、そのまんまですね(笑)
寝る前に用意して眠りにつくまで抱えていました。
ドラッグストアで売っているものは、カバーが付いていなかったので、フェイスタオルで包んで使っていました。
手術を迷っている方のお役に立てば幸いです。
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